浄化槽の海外展開に注力するダイキアクシスはこのほど「日本の安全安心を、世界の日常に」をコンセプトとする新中期経営計画を策定した。生活排水の処理を通して、新興国の暮らしの安全安心を実現する。

――「日本の安全安心を、世界の日常に」に込めた思いは?
世界では下水の80%が処理されずに川や海に排出されており、22億人が安全な飲料水を利用できない。半世紀ほど前の高度経済成長期の日本と同じことが、いまだ世界で起きている。日本では諸先輩が、安全安心な日常のための公衆衛生の技術や制度を築いてくれた。それを海外に移転し、海外の水問題の解決に貢献するのは、今の世代の我々の使命だ。
――学生時代から新興国の現場に足を運んできて思うことは?
初めて訪問した途上国はアフリカのザンビアで、スイスの高校時代だ。水環境の悪さ、生活水準の低さに驚いた。でも人々は幸せそうで、何かためになりたいと思った。これが原体験となった。
大学時代はショートインターンでアジア、アフリカに行き、ビジネスとしての途上国開発を経験した。インドはとくに川の汚染がひどく、街のどこを歩いていても臭かった。
劣悪な生活環境を身を持って体験し、環境インフラなしに経済発展はないと痛感した。一方、祖父の立ち上げた事業が「浄化槽」というまさに環境インフラそのもの。新中期経営計画で浄化槽のグローバル展開を核としたのは、原体験と祖業が融合した当然の選択だった。

――浄化槽を作って、売って、終わり、という単なるメーカーではなく、売った後のメンテナンスも手掛けるビジネスモデルは珍しい。それをODAなどを使わずに手掛けるのも珍しい。
一次的な支援に終わることなく、現地に根を張って、現地に貢献したい。インドでは自分たちの資金と人的ネットワークを使い、現地政府とともに水質基準や製品基準などルール作りから一緒に構築した。現地の事業パートナーも自分たちで探し、人材も現地で採用して、育てている。このインドモデルを他地域に展開する。
浄化槽が整備されると同時に、現地に仕事と雇用が生まれ、経済が発展し、水環境が改善され、安全安心な暮らしが創出される。浄化槽を通して新興国の国造りを支えていきたい。
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「日本の安全安心」には、衛生的な水が得られたり、街に降った雨が素早く排除されたりすることのほかに、仕事をして賃金を得て暮らせるという意味も含まれるのだと感じた。
同社は現在、インド、インドネシア、バングラデシュ、スリランカ、中国に5つの製造拠点、9つの営業拠点、31社の代理店を持つ。今後、中東、アフリカなど需要が高く浄化槽が求められる市場参入を目指し、事業展開を図っていく。