ワーケーションで少数精鋭の組織をパワーアップ

フソウ、海外事業部が実践する心理的安全性のある組織作り

上下水道施設等の設計・施工・メンテナンスなどを手掛けるフソウの海外事業部は、2021年4月に発足してから半年に1回のペースで、ワーケーション週間を実施している。目的は、自然豊かで開放的な空間で4日間ほどを一緒に過ごし、オフィスと日常業務で凝り固まった頭を柔軟に開放すること。そして、社外からゲストを招くことをルールとしており“異種”との化学反応で新しいビジネスのアイデア創出を目指している。

田植えを体験(右端が筆者)

なぜワーケーションに取り組むようになったのか。

同事業部が対象とする市場は全世界だが、メンバーはわずか5名。しかも4名がキャリア採用、うち1名はブラジル人という多様性に富んだグループだ。生まれ育った環境や文化も、働いてきた環境や企業文化もそれぞれ異なる。

「そうした中で着実に実績を上げるには、メンバーの心理的安全性を約束できる組織作り、職場づくりが大切だと考えました」と相川芳光事業部長は話す。

「心理的安全性と深く関係するのが肉体的や精神的、社会的に満たされたWell-Beingと呼ばれる幸福な状態です。Well-Beingが高く、心理的安全性のある組織であれば、たとえ少人数であっても生産性の高いチームとなり、新しいインプットとアウトプットができると思っています」(相川氏。以下同)

2022年6月6日から9日までのワーケーションの2日間、Webジャーナル「Mizu Design」編集長の奥田早希子(筆者)がゲストとして参加させていただいた。長野・白馬村の山間部を散歩したり、バレーボールをしたり、田植えをしたり。一見するとワーケーションならぬバケーションのようでもあるが、あだ名で呼びあい、笑いあうことで、筆者も含めメンバー間の信頼と結束が強まったことは間違いない。その合間合間に交わした会話から、フソウも筆者も双方が今後のビジネスの種を見つけることもできた。

「1年後には各自が担当する国に行ってしまうので、メンバーはバラバラになってしまいます。辛いこともあると思いますが、そんな時はワーケーションのことを思い出し、離れていても支えあいながら乗り越えていける。そんな心理的安全性のある組織をワーケーションを通して築き上げたいです」

左から相川芳光海外事業部長、舛井優子さん、霜島千裕さん、ブルーノメネゲッソさん、冨山雄介さん