利根川河川敷のプラスチックごみ。やがて海に流れる
海のごみ、とりわけプラスチックごみへの関心が世界的に高まっている。国内でもテレビ報道や新聞紙面で目にする機会が増えた。しかし、日本財団の調査によると、関心はあるが行動できる場がどこにあるのか分からない人が6割程度いるという。
そこで日本財団は2019年度から、私たち一人一人が海洋ごみの問題を自分事化して「これ以上、海にゴミを出さない」という意識を持って行動する人を増やすプロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE 海の未来を変える挑戦」を始動する。
5,240社の企業パートナーと連携し、プラスチックの原料から製品、流通、小売り、さらには廃棄までライフサイクル全体にわたって切れ目ない活動を推進する。さらに283団体の自治体パートナー、河川や道路など国の関連部局のつなぎ役となり、オールジャパンでの取り組みに発展させる。
まずはセブン‐イレブン・ジャパンと連携し、首都圏を中心とするセブンイレブン店舗にペットボトルの回収機を設置する。5本持ち込むとナナコポイントで1円が還元される。今も店頭のゴミ箱でペットボトルを回収しているが、概ね一般廃棄物として処理されている。今後は「廃棄物」としてではなく「有価物」として回収し、ペットボトルへの再利用を推進する。その他、下記の活動に取り組む。
・パートナーとの連携(優良な取り組みを発掘し情報発信)
・地方自治体との共同事業(連携予定自治体:埼玉県、藤沢市、富山市、浜松市、金沢市、松江市、松山市、鹿児島市、東京都内市区)
・学術研究者との連携(海洋ごみ調査研究)
・ベンチャー企業との連携
・環境省との連携(情報発信)
11月27日に記者発表が行われた。その際に配布された資料によると、2015年に全世界で生産されたプラスチックは4億トンにのぼり、これまでの総量は83憶トンに達する。そのうちリサイクルされたものはわずか9%しかない。
63憶トンはごみとして廃棄され、その8割は埋め立てられるか自然放棄されて一部が海に流出している。このままのペースでは、2050年までに埋め立て・自然放棄されるプラスチック量は120憶トンになる見込みだという。
海洋ごみ発生メカニズム(日本財団提供)