上下水道を社会科学的に学んでほしい

日水コン 早大商学部に寄付講座

上下水道コンサルタントの日水コン(東京都新宿区)は、早稲田大学商学部の2020年春学期カリキュラムに寄付講座『「水」ビジネス論~あなたのまわりの「水」。その未来を考える~』を開設した。これまでにも技術系学部で非常勤講師として教える経験はあったが、社会科学系では同社初となる。

講義映像を録画する間山一典社長

金融機関の関りや海外水ビジネス、災害対応など上下水道の概略を把握できる構成とした。コロナウイルス感染対策のため、講義は録画した映像を配信する。全12回の予定。

商学部以外の2年生以上の学生にも公開しており、現時点で70名弱が登録。そのうち、政治経済学部の学生も1割程度履修している。

上下水道業界ではこれまでにも、水インフラで働く意義ややりがいを伝え、就職希望の学生を増やすことなどを目的に、技術系の学部で出前講座や講義などに取り組まれてきた。社会科学系を対象とした講義は同社としても初だが、同業界としても珍しい取り組みとなる。

 本講座を主幹する高瀬浩一教授は「上下水道の課題解決には経営や政治など社会科学的な分析が必要」として社会科学系の学生が上下水道を学ぶ機会の重要性を指摘。「しかし、上下水道は電気やガスなど他の基幹産業に比べて学生の興味が薄い。講義を通し、水循環分野で活躍する学生が現れてほしい」と期待している。