「水」は人を集める強力なアイコンである。まちづくりに携わるコンサルタントの方に、以前そんなことを聞いたことがある。
水のあるところに文明が生まれ、水があるところに文化が育まれ、水を囲んで人が集い、会話が生まれ、社会が営まれてきた。しかし、上下水道が整備されたおかげで、井戸端会議はなくなった。河川の護岸整備が進んだおかげで、水際が遠くなった。
失われつつある水との接点、言い換えれば、失われつつある水が醸成してきた文化や社会を取り戻し、もっとクリエイティブに楽しもうという活動が「MIZBERING」(ミズベリング)である。プロジェクト概要は会の通り。
まだまだ、十分に活用されていない日本の水辺。
ミズベリングは、新しい水辺の活用の可能性を切り開くための
官民一体の協働プロジェクトです。
ミズベリングの語源は、「水辺+RING(輪)」、
「水辺+R(リノベーション)+ING(進行形)」。
水辺に興味を持つ市民や企業、
行政が三位一体・ひとつの輪となり、
持続可能な水辺の未来に向けて改革していく。
そんな意味が込められています。
ミズベリングは、水辺を愛する人が主体的に関わり、
水辺とまちが一体となった景観、にぎわい、
新しい水辺と社会の関係を生み出すムーブメントを、
つぎつぎに起こしていきます。
2020年2月20日に「ミズベリングフォーラム2020220」が都内で開催された。
写真を見ていただいても分かるように、大変な盛り上がりだ。水は人を集める力があると実感させられる。主要なコメントを紹介する。
スノーピークの荒巻さんは、スノーピークやすらぎ堤で地域を使った笑顔づくりについて紹介。「地域のふれあいの場になって笑顔が生まれていく」「小さな活動から自発的な活動が生まれていく」と小さなことでもいいから自発的に動くことが大事とアピールした。
元ポートランド開発局局長の山崎満広さんが日本のインフライノベーションに言及。「世界で⼀番クリエイティブな国として日本1位に選出されている」とし、クリエイティブさを失わないためにも、日本人1人1人が自分と向き合い、働く時間を減らして家族や友人と過ごす時間を増やすことでよりクリエイティブな日本が生まれると主張し、座右の銘として「Change is the only constant(この世でたった1つの真実は、変わり続けることだ)」を紹介した。
詳しくはミズベリングサイトへ。